人を幸せにしない宝くじ・公営ギャンブル

還元率が異常に低い


 ギャンブルや宝くじで一攫千金を狙おうという方も多いでしょう。財団法人日本宝くじ協会によると「宝くじ1枚の中身」は次のようになっています。当選金として当選者に支払われる割合、つまり賞金が45.8%。収益金として発売元である全国都道府県および17指定都市へ納められ、公共事業等に使われる割合が40%。印刷経費、手数料、財団法人日本宝くじ協会普及宣伝費、つまり経費が14.2%となっています。

 この賞金の割合、つまり還元率は、違法ギャンブルの還元率よりはるかに低い、購入者にとっては非常に割に合わない率だそうです。その主な要因は収益金の40%です。財団法人日本宝くじ協会によると、「収益金は、発売元の都道府県及び指定都市に納められ、公共事業等の費用として人々の生活に役立てられています」とのことです。この金額は平成18年度では4374臆円になったそうです。ここだけ聞くととても結構なことです。



社会の役にも立っていない


 問題は経費です。平成18年度の宝くじ発売実績額は1兆938億円だそうですので、経費の14.2%をこれに当てはめると実に1553億円となります。宝くじ推進派は、「人々の生活に役立っている」ことを錦の御旗にしているわけですが、4374臆円の公共事業のために、1553億円を経費に使うというなんともコスト感覚のない無駄なことをしているわけです。公共事業は本来、租税収入などからまかなわれるべきではないでしょうか。少なくとも大手広告代理店社員や天下り役人の高額給与のために。。。これ以上はやめておきましょう。

 「社会に役立っている」ことを錦の御旗にしているほかの公営ギャンブルも払い戻し率はともかく似たり寄ったりでしょう。少し乱暴な言い方かもしれませんが、宝くじ・公営ギャンブルは「社会に役立っている」どころか、「社会の非効率に役立っている」のではないでしょうか。「社会に役立っている」というのは官のお得意の詭弁です。宝くじ・公営ギャンブルはマクロレベルでみたら実はゼロサムではなく非ゼロサムなのです。

 財団法人日本宝くじ協会によると、「宝くじは、年間販売額が6年連続して1兆円を突破するなど、今や国民の健全な楽しみとして定着し、ますますファンが増えている」そうです。さらに、「この宝くじが今後も大きく発展し、さらに、宝くじファンの夢を呼ぶよう、いろいろなPR活動が展開されています。世界で初めての宝くじ常設PRセンター『宝くじドリーム館』をはじめ、新聞・雑誌やテレビなどのメディアを通じ、広く宝くじの楽しさをPRしています。」とのことです。つまり経費がさらに膨らんでいくわけです。
 わが国では、富くじは刑法で禁止されていますが、宝くじは特例で認められているいわば官製独占企業です。他の公営ギャンブルも同様の構図です。どこかで歯止めをかけなくてはいけません。


バランスが必要


 宝くじや公営ギャンブルについて否定的なことばかり書きすぎたため、「人の勝手だ」というお叱りを受けそうです。全くそのとおり、個人の自由ですからわたしはそこまでは否定しません。まず「夢を買う」こと自体はポジティブで大変よいことだと思います。前向きな気持ちの人が多くなれば社会全体も明るくなるでしょう。

 ただ何事もバランスで、過熱はよくありません。全国的に停滞している公営ギャンブルはともかく、過熱気味である宝くじはこの点で問題です。先にも書いたとおり、日本では富くじは刑法第187条で罰金刑となります。ただ、地方自治体が宝くじを実施できるのは、刑法第35条に「法令又は正当な業務による行為は、罰しない」とあることとその該当法令である「当せん金付証票法」があるためです。

 しかし、これが「国民の射幸心をあおるのは勤労によって財産を得ようとするという健全な経済的風俗を害する(最高裁判例)」状態となれば話は別でしょう。地方自治体は宝くじによる収入の相当な部分を公共事業に使い公共性を持たせていることから最高裁判例に矛盾しないと主張しているのですが、派手な宣伝など経費の割合を考えると現状がよいとはとても思えません。常識的に考えて、「西田夢蔵」や「西田小夢蔵」が射幸心をあおっていないと誰が言えるのでしょうか。「夢」「夢」「夢」と喧伝すれば、それで済むと思っているのでしょうか。

 先ほどの最高裁判例は1950年のものですが、わたしには古臭さを感じない「まっとう」なものに感じます。ただし、これまで述べたとおりその運用には違和感があります。

 インド風水ヴァーストゥでは「富くじ・ギャンブルをしてはいけない」という直接的な表現はありません。ただ間違いなく言えるのは、インド風水ヴァーストゥの価値は富くじ・ギャンブルなどにはないということです。


インド風水ヴァーストゥの役割


 中国風水では、「宝くじ・公営ギャンブルでうまくいく」と謳ったものも多く見受けられます。本当にそうなるかどうか私は知りませんが、宝くじ・公営ギャンブルがこれ以上隆盛にならないことを私は祈っています。

 インド風水ヴァーストゥを実行しても、宝くじ・公営ギャンブルでうまくはいきません。インド風水ヴァーストゥでは直接的表現でギャンブル・宝くじを否定しているわけではありませんが、対極的な考えであるといっても過言ではありません。

 そのかわり、インド風水ヴァーストゥでは、①思考がクリアでクリエイティブになる、②問題処理能力と意思決定能力が高まる、③健康と幸福感が高まる、④一日を通じて感覚がリフレッシュしている、⑤心地よい休息と快眠が得られる、⑥活力が高まる、⑦精神的な安定が得られる、などのメリットがあります。例外はあるでしょうが、少なくともその確率は高まります。

 「まっとう」なインド風水ヴァーストゥを是非一度試してみてはいかがでしょうか。


インド風水のキーワードは『調和』


 仮に宝くじで3億円当たったとします。少なくともインド風水を実行しても当たる確率は高くなりませんが、当たればうれしいものです。しかし、急に大金を手にした人の相当数はその後様々な不幸に出会うといいます。

 なぜか。その人の世界に「調和」しないからです。言い方を変えると、大金が手に入ったという状況にその人が適切に対応できないからです(説明するまでもないことですが)。

 インド風水のキーワードが「調和」あるいは「バランス」であることはこれまで繰り返し書いてきました。「宝くじは『胴元』が確実に儲かるだけで、人々にあまり幸福はもたらさない」というのがインド風水ヴァーストゥの観点からの結論です。皆さんはどうお考えですか。


「金運がよくなる」か


 いわゆる「金運がよくなる」と喧伝されている占い、おまじない、風水というものがあります。これらを実践するほとんどの方々はジャンボ宝くじなどで大金を手にするでしょうか。残念ながらそうはならないのが現実です。

 考えてもみてください。「金運がよくなる」○○というのは、おそらく数百万、数千万人の人たちが何らかの形で実践し、そのうちかなりの確率で宝くじを購入しています。これに対して、1億円以上当たる方は年間せいぜい数百人でしょう。どんなに素晴らしい占い、おまじない、風水であっても、全員が大金を当てるどころか、ごくごくわずかの方々しか大金を得ることはできないのです。つまり、「金運なにがし」などというものは最初から論理的に破綻しているのです。

 悪名高い独裁者は「人民大衆は小さな嘘には騙されないが、大きな嘘にはたやすく騙される」とその著書に書いたそうです。現代ではそのようなことはない、と断言できるでしょうか。これ以上書きませんが、私が何を言いたいのかわかっていただけるかと存じます。

運営の問題


 先述のとおり現在の宝くじの運営には大きな問題があります。深く掘り下げるために2009年12月20日の産経新聞に興味深い記事が載っていたので要約をしてみます。

宝くじは儲けすぎ? 天下り法人に“埋蔵金”も

 「庶民の夢」宝くじ。発売中の年末ジャンボを買い求め、夢の皮算用をしている人も多い。売り上げは1兆円超と莫大だが、収益がどう使われているのかは、あまり知られていない。
 当せん金として還元されるのは約45%。残り55%が「胴元」の地方自治体などの収益になり、身近な公共事業に生かされることになっている。ところがその一部は「天下り法人」に流れて元官僚らの人件費に消え、積もり積もった収益が「埋蔵金」と化している実態がある。
 もちろん、宝くじの収益金による事業等は、国民生活に役立っているものもある。だが費用対効果的に必要性が疑わしいものや、重複が目立つのも事実。
 「一獲千金」という動機で買った宝くじでも、その収益はれっきとした公的財産。夢を見るだけでなく、使途にもよく目を光らせるべき。

宝くじは「逆進性」の典型


 そもそも宝くじを買う方々はそもそも所得があまりおおくありません。そうした方々のお金を使って公共事業をおこなうことは正しい表現ではないかもしれませんが、「逆進性」の典型ではないでしょうか。どうせ公共事業を行うなら財源は税金方式にした方が合理的です。少なくとも記事のような型での官製ピンハネはありません(無駄遣いが全くなくなるとは言いませんが)。

 また、宝くじの天下り法人に天下る人たちは基本的に社会のエリート層です。宝くじ関係者は宝くじを買うことはできませんから、天下ったエリートの皆さんは、投資として最悪な宝くじを買うことなく、所得の低い層から吸い上げた収益で確実に高給を得る、ということになります。

 いずれにしても宝くじはたまたま当たった人は少なくとも当座は金銭的に幸せになりますが、社会全体としては幸せにはならないことは間違いないでしょう。「金運がよくなる」○○を現在実践しているにもかかわらず、なかなか宝くじが当たらない方々も再検討した方が賢明かもしれません。ちなみにインド風水ヴァーストゥを実践しても宝くじに当選する確率は一切上がりません。